コラム

就労継続支援B型はどんな人が利用できる?対象者の条件、利用者の割合、A型との違いまで徹底解説

就労継続支援B型(B型事業所)は、「働きたい」という意欲がありながら、障害や体調の面で一般企業での雇用契約に基づく就労が難しい方を支援するための福祉サービスです。

しかし、「自分は利用できるのだろうか?」「実際にどんな人が通っているのだろうか?」といった疑問を持つ方は少なくありません。

この記事を読むことで、あなたが就労継続支援B型を利用できるかどうか、また、それがあなたにとって適切な場所であるかどうかを判断するための、すべての情報が得られます。

1. 就労継続支援B型の対象者:制度上の明確な条件

就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスであり、利用するには定められた条件を満たす必要があります。対象となるのは、以下のいずれかの障害や難病を持ち、かつ特定の利用要件を満たす方です。

1-1. 対象となる障害・難病の種類

就労継続支援B型の利用対象となるのは、以下のいずれかの手帳や診断がある方、自立支援医療受給者証対象の方、またはそれに準ずる支援が必要だと認められた方です。

  • 身体障害:肢体不自由、視覚・聴覚障害、内部障害など身体的な制約がある方。
  • 知的障害:療育手帳の交付対象となる方。
  • 精神障害:統合失調症、うつ病、双極性障害などの気分障害、てんかんなどの方。
  • 発達障害:ADHD(注意欠陥多動性障害)、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)などの方。
  • 難病等:厚生労働省が定める指定難病(例:潰瘍性大腸炎、パーキンソン病など)を持つ方。

特に、発達障害は精神障害に含まれる形で支援の対象となっています。

1-2. 利用するための具体的な4つの要件

上記の障害や難病がある方の中で、さらに以下のいずれかの条件に該当する必要があります。

要件1:就労経験があるが、年齢・体力面で一般企業に雇用されるのが困難になった方
過去に一般企業での勤務経験があるものの、障害の特性や体力の衰えなどにより、現在は雇用契約を結んで働くことが難しいと判断されるケースです。
要件2:50歳に達している方、または障害基礎年金1級を受給している方
年齢や重度の障害によって、一般就労や就労継続支援A型での就労が難しいと判断されるケースです。
要件3:就労移行支援事業を利用したが、B型利用が適切と判断された方
一般就労を目指すための「就労移行支援」を利用した後、アセスメントの結果、より個人のペースに合わせたB型事業所での支援が適切と判断された方です。
要件4:就労面に関する課題等の把握が行われている方(アセスメント)
上記のいずれにも該当しないが、自治体や就労移行支援事業者などによるアセスメントにより、B型での支援が必要だと判断された方(2022年法改正で新設された要件を含む)です。
💡 知っておきたいポイント:障害者手帳の有無

就労継続支援B型の利用には、必ずしも障害者手帳が必要ではありません。
自立支援受給者証の対象、医師の診断書などから自治体が「福祉サービスが必要である」と認め、「障害福祉サービス受給者証」が交付されれば利用が可能です。体調の波があり、手帳の申請が難しい方もまずは相談してみましょう。

2. 実際に就労継続支援B型を利用している人の実態

法的な条件だけでなく、実際にどのような人がB型事業所に通い、活動しているのかを知ることは、利用を検討する上で非常に重要です。

2-1. 利用者の障害種別の割合(最も多いのは知的障害の方)

厚生労働省の調査によると、就労継続支援B型を利用している方の障害種別の割合は以下のようになっています。(数値は概算)

障害種別 割合(概算)
知的障害 約57%
精神障害(発達障害含む) 約29%
身体障害 約10%
その他・難病 約4%

知的障害を持つ方が全体の半数以上を占め、次に精神障害を持つ方が続いています。この2つの障害種別で全体の80%以上を占めているのが実態です。
そのため、B型事業所は知的障害や精神障害を持つ方への支援ノウハウが豊富であり、安心して利用できる環境が整っています。

2-2. 利用者の年齢層:40代以上が約6割

就労継続支援B型は幅広い年齢層の方が利用していますが、特に40代以上の利用者が多い傾向にあります。

  • 40歳~59歳:全体の約40%
  • 60歳以上:全体の約20%

40代以上で全体の約6割を占めています。これは、「就労経験はあるが、年齢や体力の面で一般企業での継続が困難になった方(要件1)」が多く利用していることを示しています。
もちろん、特別支援学校卒業後の若い世代(18歳以上)も多く利用しており、年齢に関係なく、自分のペースで働きたいという方が集まっています。

2-3. B型事業所に向いている・利用している人の具体的なニーズ

利用者の実態をニーズの面から見ると、以下のような特徴を持つ方がB型事業所を選んでいます。

特徴 具体的な状況・思い
体調に波がある人 精神疾患や難病の影響で、毎日決まった時間に働くのが難しい、通院や服薬管理の時間を確保したい。
自分のペースで働きたい人 雇用契約がなく、休憩時間や作業量を自己調整しながら無理なく働きたい。人間関係のストレスを避けたい。
生活リズムを整えたい人 長期休職などで生活リズムが乱れており、まずは日中に活動する習慣をつけたい。
一般就労へのステップにしたい人 B型で働くスキルや体力を身につけた後、A型や一般企業への就職を目指したい。
居場所や仲間を見つけたい人 社会との繋がりを持ちたい、同じような境遇を持つ仲間と出会い、孤独感を解消したい。

3. 就労継続支援B型とA型・一般就労との違い

就労継続支援にはB型のほかにA型(雇用型)があり、一般就労とは大きく異なります。利用を検討する際は、それぞれの違いを理解することが重要です。

3-1. 最大の違いは「雇用契約の有無」

比較項目 就労継続支援B型 就労継続支援A型 一般就労
雇用契約 なし あり あり
賃金形態 工賃(生産活動の対価) 給与/賃金(最低賃金以上が保証) 給与/賃金
利用対象 現時点で雇用契約の締結が難しい方 適切な支援により雇用契約が可能な方 障害の有無に関わらず就職できる方
働くペース 柔軟に調整可能(自分のペース) 雇用契約に基づく勤務時間 雇用契約に基づく勤務時間
安定性 低い(体調に合わせて調整可能) 比較的高い(安定した勤務が求められる) 高い

就労継続支援B型は雇用契約を結ばないため、体調に合わせて柔軟に働く時間や日数を調整できる点が最大の特徴です。この柔軟性から、体調の不安定な方や高齢の方、重度の障害を持つ方に特に選ばれています。

3-2. 就労継続支援B型の主な仕事内容

就労継続支援B型で提供される仕事(生産活動)は、事業所によって多岐にわたりますが、いずれも障害や体調に合わせて無理なく取り組めるよう配慮されています。

  • 軽作業・手作業:部品の組み立て、袋詰め、封入・封かん作業、検品作業など
  • 製造・販売:パンやクッキーなどのお菓子製造、カフェ・喫茶店での接客、手芸品・雑貨の作成など
  • 農作業:野菜や花の栽培、収穫、販売など
  • 清掃・クリーニング:事業所内の清掃、提携施設での清掃業務など
  • パソコン作業:データ入力、名刺作成、Webサイトの簡単な更新作業など

作業時間は短時間からの利用が可能であり、体調がすぐれない日は休むことも可能です。まずは「働く」という活動を通じて社会との繋がりを持ち、日常生活のリズムを整えることからスタートできます。

4. 利用開始までの流れと検討のポイント

就労継続支援B型の利用を検討し始めたら、まずは以下の流れで進めてみましょう。

4-1. 利用開始までの一般的なステップ

  1. 相談:お住まいの市区町村の障害福祉窓口、相談支援事業所、またはかかりつけ医に相談します。
  2. 申請:市区町村へ利用の申請を行い、必要な書類を提出します。
  3. アセスメント(調査):サービス利用計画を作成するため、状況調査(アセスメント)が行われます。
  4. 受給者証の交付:おおむね1か月程で、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。
  5. 事業所選び・契約:ご自身に合った事業所を見学・体験し、契約を結んで利用開始となります。

4-2. B型事業所を選ぶ際の重要ポイント

B型事業所はそれぞれに特徴があります。ご自身に合った場所を選ぶために、以下の点をチェックしましょう。

  • 自宅からの通いやすさ:無理なく通所できる場所にあるか、送迎サービスはあるか。
  • 提供されている作業内容:興味を持てる仕事内容か、体調やスキルに合った内容か。
  • 事業所の雰囲気:職員の対応は親切か、利用者の様子はどうか。見学や体験利用で必ず確認しましょう。
  • 障害特性への理解:ご自身の障害や病状に対して、職員が適切なサポートを提供できる体制にあるか。

就労継続支援B型は、「自分のペースで、安心して働く」ためのサービスです。あなたの「働きたい」という気持ちを大切にし、適切な事業所を見つけて社会参加への一歩を踏み出してください。

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